資料室 ── 市場構造・コスト ── 更新 2026-09-09

経済指標はいつ出るのか — 木曜は月曜の3.8倍混んでいた

「今日は指標が多い日だ」という感覚は、当たっているのでしょうか。

避けるべき時間の話を書いてきましたが、そもそも指標がどこに集まっているのかを数えたことがありませんでした。

**19年分・1万3千枠を数えました。**ティックは使いません。カレンダーを数えるだけです。

結論

  • **木曜が突出しています。**重要度の高い発表枠が2,696。月曜(715)の3.8倍です
  • 理由は3つ重なっているからでした。米国の週次統計・FOMC・BOEとECBが、いずれも木曜です
  • 時間帯は日本時間21時が最多(米国夏時間。冬は22時)。1日の発表枠の2割がここに集まります
  • 発表が1件も無い時間帯は、24時間のうち1つもありませんでした
  • 日本に夏時間はありませんが、指標の位置は季節で1時間動きます

何を数えたか

  • データ: ForexTester 6 に付属する経済指標カレンダー(2026年8月26日取得)
  • 期間: 2007年1月〜2026年8月
  • 対象: **重要度2(最も高い)**の指標 18,733件
  • 数え方: 同じ分に複数の指標が出る場合は1枠として数えました。発表枠は13,672です
  • **季節で分けています。**日本に夏時間はありませんが、指標は現地時刻で予定されるので、日本時間での位置が1時間動きます

結果1:曜日は木曜に偏る

曜日発表枠(米国夏時間)
月715
火1,823
水1,939
木2,696
金1,588

木曜は月曜の3.8倍です。冬時間でも同じ形でした(木1,380 対 月331)。

「月曜は静か」という感覚があるとすれば、それは合っています。

結果2:日本時間21時に集中する(夏時間)

時間帯別の合計です(米国夏時間、月〜金)。

日本時間発表枠何の時間か
21時1,889米国の朝(8:30 ET)
23時1,137米国の午前(10:00 ET)
17時1,011欧州の朝
10時827アジア時間
16時388欧州の早朝
20時322英国の昼

21時だけで全体の2割です。

**冬時間になると、これが1時間後ろにずれます。**最多は22時(962)、次いで18時・9時・0時でした。

**発表が1件も無い時間帯は、24時間のうち1つもありませんでした。**どの時間にも何かはあります。

結果3:曜日と時刻を掛け合わせた地図

米国夏時間、重要度2の発表枠です。数字が大きいほど混んでいます。

日本時間3101720212223
月01029438542148
火111992421826961287
水381882552639965331
木24925524121564166200
金18831796049581171

木曜21時が641枠で最も混んでいます。次が金曜21時(495)、水曜21時(399)。

結果4:木曜が混む理由は3つある

木曜の中身を調べました。

木曜21時(米国の朝)

回数指標
417米国の新規失業保険申請件数
103ECBの記者会見
44米国のPPI
32米国のコアCPI

米国の新規失業保険申請が毎週木曜に出ます。19年で417回。これだけで木曜の枠の15%です。

木曜3時(日本時間の未明)

回数指標
94FOMC声明
76FOMC議事要旨
71FF金利
65FOMC記者会見

FOMCは米国時間の水曜午後なので、日本時間では木曜の未明になります。

木曜20時(英国の昼)

回数指標
97英国の政策金利
68ECBの主要政策金利
46英国の資産買入枠

BOEもECBも木曜です。

つまり木曜は、週次統計と3つの中央銀行が重なっている日でした。

対照的に月曜は薄く、最も多いのがISM製造業景況指数(51回)です。大きなイベントがありません。

実務でどう使うか

  • 木曜は中央銀行の日です。日本時間の未明にFOMC、夕方にBOEとECB、夜に米国の週次統計
  • **月曜は静かです。**指標を理由に避ける必要はほとんどありません
  • **21時(冬は22時)は1日で最も混みます。**ここを避けるかどうかが、指標対策としては最も効きます
  • 季節で1時間動くことを忘れないでください。夏時間の切り替えは相場の時計を動かします
  • ただし、コストの観点では時間帯のほうが桁違いに効きます。指標を避けても平均コストはほとんど変わりません。この地図は「荒れる時間を知る」ためのものであって、コスト削減のためのものではありません
  • 中央銀行ごとの違いは別の記事で測っています。日銀だけ影響が31分続き、ECBは反応が発表の分に来ません

データの見方(方法と限界)

  • 1つの配信元のカレンダーです。提供元は公開されておらず、「重要度2」を誰がどう決めているかは分かりません。重要度のラベルは実際のスプレッド拡大とあまり対応していません
  • 19年分をまとめた数字です。この間に発表の運用が変わった指標があります(たとえばFOMCの記者会見は途中から始まりました)
  • 枠の数を数えているだけで、影響の大きさは測っていません。数が多い=荒れる、ではありません
  • 同じ分の複数指標は1枠にしています。指標の本数で数えると別の絵になります
  • 季節の判定には米国の夏時間を使いました。欧州の切り替え日は数週間ずれるため、年に3週間ほど欧州側の位置がずれる期間があります

まとめ

  • 木曜が突出(2,696枠)。月曜(715)の3.8倍
  • 理由は米国の週次統計・FOMC・BOE/ECBが木曜に重なるから
  • 時間帯は日本時間21時が最多(冬は22時)。1日の2割がここ
  • 最も混むのは木曜21時(641枠)
  • 発表が1件も無い時間帯は、24時間のうち1つも無い

「今日は指標が多い」という感覚は、木曜については当たっていました。

出典

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の取引や時間帯を推奨するものではありません。数値は集計期間における実測値であり、将来の結果を保証するものではありません。